不動産を購入するときには仲介手数料が発生するという話は、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、仲介手数料が実際どれぐらいかかるものか、ご存じの方は少ないかと思います。購入金額によっては高額になる場合もあるため、仲介手数料の相場について詳しく理解しておくことが大切です。本記事で詳しく解説します。
不動産購入時の仲介手数料とは?
不動産売買の多くは、買い主と売り主の間に仲介業者が入り、売買契約に向けた手続きを請け負ってくれます。このとき不動産仲介業者が行う不動産購入にかかる一連の手続きに対する報酬が、仲介手数料となります。
なぜこの仲介手数料が必要なのかというと、不動産仲介業者にとっては仲介手数料が唯一の利益となるからです。利益がなければ会社の経営は成り立ちません。そのため不動産の購入にあたって、仲介手数料は必要不可欠なものとなります。
もし売買契約が成立しなかったら、仲介手数料が発生することはありません。仲介手数料は売買契約が成立したときのみ発生する成功報酬となっています。
不動産購入時の仲介手数料の相場と計算方法
不動産の購入は、何千万円もする大きな買い物です。たとえば1,000万円の不動産に0.1%の仲介手数料がかかると10万円になってしまいます。不動産の購入額が高くなるにつれて仲介手数料が高くなりすぎるのを防ぐため、「宅地建物取引業法」第46条で仲介手数料の上限額が決められています。上限額の算出方法は、以下のように不動産購入額によって利率が異なります。
・200万円以下の部分は、売買金額の5%以内
・200万円を超え400万円以下の部分は、売買金額の4%以内
・400万円を超える部分は、売買金額の3%以内
仮に200万円の不動産を購入したとすると仲介手数料は200万円×5%=10万円となり、1回の計算だけで算出できます。ところが購入額が200万円を超える不動産の場合分割して計算しなければいけないので、やり方は少し複雑になります。
たとえば3,000万円の不動産を購入したときの仲介手数料は、以下のようにして算出します。
・200万円以下の部分…200万円×5%=10万円
・200万円を超え400万円以下の部分…200万円×4%=8万円
・400万円を超える部分…2,600万円×3%=78万円
10万円+8万円+78万円=96万円に消費税96万円×10%=9万6千円を足した105万6千円が仲介手数料となります。このように数回に分けて計算を繰り返すやり方は、とても手間がかかってしまいます。
そこで、もっとシンプルに計算できる方法が「速算法」です。これは購入金額×3%+6万円という式を使う方法です。速算法の仕組みは、先に全体の購入額を3%で計算しておき、あとから200万円以下の部分と200万円を超え400万円以下の部分の差額を加算するようになっています。
たとえば先に例に出した3,000万円の不動産を購入した場合、3,000万円×3%=90万円に、(200万円×5%)-(200万円×3%)=4万円と(200万円×4%)-(200万円×3%)=2万の計6万円を加算すると96万円となり、同じ金額になります。
仲介手数料の相場
仲介手数料の上限は宅地建物取引業法で決められているため、上限を超えた額を請求されることはありません。また仲介手数料の下限額は決められていないので、金額をいくら下げても問題ありません。そのため仲介手数料は上限額いっぱいで考えておくと、予算がたてやすいのではないでしょうか。
不動産仲介手数料の支払い方法やタイミング
仲介手数料を支払うタイミングですが、「売買契約が締結したときに一括で支払う」「売買契約が締結したときに半額を支払い、引き渡し時に残りの半額を支払う」という2通りの方法があります。不動産会社によって支払うタイミングが違うため、事前に問い合わせしておきましょう。
仲介手数料は成功報酬のため、支払い義務が生じるのは売買契約が成立したあとです。物件の見学や購入の申し込みの段階では仲介手数料の支払い義務はありませんので、万が一請求されたとしても応じる必要はありません。
なお仲介手数料の支払いは現金で行うのが一般的ですが、近年では振り込みなどキャッシュレスに対応している不動産会社も増えています。大金を持ち歩くのが不安という方は、振り込みに対応していないか不動産会社に問い合わせるとよいでしょう。
また現金支払いのためにATMで引き出すときには注意が必要です。引き出し限度額が50万円に設定されているATMが多いので、仲介手数料が50万円以上かかる場合は銀行窓口で現金引き出しの手続きをしましょう。銀行の窓口は15時で閉まってしまうので、支払日ギリギリになって慌てることのないよう余裕をもって現金を用意することが大切です。
まとめ
不動産を購入するときつい購入価格にばかり注目してしまい、仲介手数料を意識していないということがよくあります。仲介手数料は不動産の購入額によっては100万円を超えることもあるため、予算を組みたてる際には仲介手数料のこともしっかりと念頭に置くようにしましょう。
この記事では仲介手数料の計算の仕方も紹介しました。仲介手数料は上限額を超えて請求されることはないので、どれぐらいの価格の不動産を買えば仲介手数料はいくらぐらいになるのか把握しやすいでしょう。仲介手数料もふまえて、無理のない予算計画を立ててください。
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引用元:https://www.life-one-home.com/