分譲住宅とは、不動産会社やハウスメーカーがもっているまとまった土地に住宅を複数建て、販売する形態の住宅です。分譲住宅は注文住宅などに比べて、比較的安く購入できますが、メリットはそれだけではありません。今回は、分譲住宅のメリット・デメリットについて徹底的に解説していきます。
分譲住宅のメリット
分譲住宅の購入には多くのメリットがあります。
費用が割安
分譲住宅は、一般的に注文住宅に比べて費用が割安です。建築会社が広い土地をまとめて購入し、分割して販売するため、土地の価格が抑えられます。
さらに、建物に必要な木材や設備なども一括で仕入れることで、コストダウンが可能になります。このような経済規模の効果により、高品質な仕様をリーズナブルな価格で提供できるのです。
安心して購入できる
分譲住宅はすでに完成しているため、購入前に実物を見て確認できます。これにより、完成形とイメージのギャップを避けられるので、安心して購入できます。
「思っていたのと違う」を回避できる点が、注文住宅と比較した場合のメリットです。
購入スケジュールが立てやすい
分譲住宅は完成済みの物件を購入するため、契約から入居までのスケジュールが安定しています。注文住宅のように、工事の進捗や天候による遅延の心配が少なく、計画通りに引っ越しできます。
家具付きの物件も多く、引っ越し後すぐに新生活を始められるのも魅力です。明確な入居希望日がある場合や、早急に新居が必要な場合には、分譲住宅が適しているでしょう。
統一感と個性がある街づくり
大型分譲地内の分譲住宅は、街全体の統一感をもちながらも、各住宅に個性をもたせた設計がされています。開発時に街づくりの計画が立てられているため、美しく整った街並みが形成されます。
また、同じような価値観をもつ住民が集まるため、コミュニティが形成されやすく、良好な近所付き合いが期待できます。
多くの人に受け入れられるデザイン
分譲住宅は、不特定多数の購入者を対象として設計されているため、広く受け入れられるデザインや間取りが採用されています。
シンプルで汎用性の高いデザインは、将来的に売却を考えた場合でも、多くの人に魅力を感じてもらいやすいです。そのため、買い手が見つかりやすく、資産価値を保ちやすいのもメリットです。
土地の価値が残る
分譲住宅の購入を検討する際、分譲マンションと比較することもあるでしょう。分譲マンションも資産としての価値がありますが、建物自体の価値は築年数とともに下がってしまう可能性が懸念点です。
しかし、分譲住宅の場合、建物の価値が下がっても土地の価値が残るため、資産価値の維持が期待できます。土地は減価しないため、長期的な視点で見た場合、資産としての安定性が高いといえるでしょう。
分譲住宅のデメリット
分譲住宅の購入には多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。
外観や間取りを選べない
分譲住宅では、外観や間取りを自由に選べないことが多く、これが最大のデメリットといえます。たとえ建築前や建築途中であっても、建物の間取りやデザインを変更することは基本的にできません。
販売戸数が多い分譲地であれば、自分たちの希望に近い住宅を見つけられる可能性もありますが、細部にわたってこだわりたい人にとっては、100%満足のいく家を見つけるのは難しいかもしれません。
施工会社が決まっている
分譲住宅では、施工会社が予め決まっているため、購入者が自由に選ぶことができません。これは、アフターフォローやメンテナンスに対する不安を抱える原因となることがあります。
購入時に納得のいく住宅を見つけたとしても、その後の住み心地を維持するためには、しっかりとしたアフターフォローが重要です。
とくに、施工会社の対応や信頼性に対して不安がある場合、分譲住宅の購入はリスクとなる場合があります。購入後に施工会社を変更することもできないため、信頼できる施工会社が提供する住宅を選ぶことが重要です。
新築状態でないことがある
分譲住宅は、誰かが購入することを前提に販売側が決めたスケジュールに沿って建てられます。
そのため、購入者がすぐに決まらない場合、建築から時間が経過しているケースもあります。新築の状態を保つためのメンテナンスや、入居前に時間が経過したことによる劣化のリスクを考慮する必要があります。
工事の経過を確認できない
分譲住宅は、完成後の家を購入する形になるため、建設過程を確認することができません。
これは、実際に入居する人が建築中の様子を見られないという点で不安要素となります。工事の進捗や品質管理を直接確認できないため、信頼できる施工会社であることが重要です。施工の過程を見られないことで、使用されている材料や施工の品質に対する懸念が生じることがあります。
購入前にできるだけ詳しい情報を得るために、施工会社の評判や過去の実績を調べることが求められます。
分譲住宅がおすすめな人の特徴
分譲住宅は、以下のような人におすすめです。
予算内で家を購入したい人
分譲住宅は、決まった予算のなかで家を購入したい人に最適です。購入時の価格が固定されているため、予期せぬ追加費用が発生する心配がありません。
これにより、住宅購入にかかる初期費用を削減し、新生活をスタートする際に余裕をもって他の好きなことにお金を使えます。
忙しい人や遠方に住んでいる人
入居希望日が決まっているものの、多忙であったり遠方に住んでいたりする人にも分譲住宅はおすすめです。
分譲住宅は建物のスペックがあらかじめ決まっているため、注文住宅のように詳細な計画を練って打ち合わせをする必要がありません。
現地まで見に行く時間が確保できない場合でも、写真や動画で確認したり、家族に頼んで見学に行ってもらうことで住宅の印象をつかめるのも魅力です。
シンプルなデザインを求める人
細かく具体的な住みたい家のイメージをもっている人には、注文住宅の方が適していますが、間取りやデザインにあまりこだわりがなく、スタンダードなもので満足できる人には分譲住宅がおすすめです。
分譲住宅は、多くの人に受け入れられるシンプルで飽きのこないデザインが採用されていることが多いため、インテリアにこだわって家をコーディネートしたい人にとっても魅力的です。
スタンダードなデザインだからこそ、さまざまなインテリアスタイルにマッチし、個性的な空間を作り上げられます。
まとめ
分譲住宅は、不動産会社やハウスメーカーがまとまった土地に複数の住宅を建てて販売する形態の住宅です。注文住宅と比べて費用が割安で、購入前に実物を確認できる安心感があります。また、購入スケジュールが立てやすいことや、統一感と個性が合わさった街並みも魅力です。さらに、将来的に売却を考えた場合でも資産価値を保ちやすいのがメリットです。
一方で、外観や間取りを自由に選べない、施工会社を変更できない、新築状態でないことがある、工事の経過を確認できないといったデメリットもあります。それでも、予算内で家を購入したい人、多忙な人や遠方に住んでいる人、シンプルなデザインを求める人には、分譲住宅が非常に適した選択肢となります。
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引用元:https://www.life-one-home.com/