戸建買取では、高い金額のお金が動きます。そのため、売却した後に後悔をしないように、正しい知識を身に着けることが大切です。本記事では、戸建買取の相場やメリット・デメリットについて解説します。また、買取・仲介それぞれに向いている物件の特徴も詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
戸建買取の相場
戸建て買取の相場は、一般的な標準物件で市場価格のおよそ8割程度が目安とされています。これは不動産会社が転売を前提に購入するためで、転売時に10％程度の利益を確保すること、そして物件の小修繕に10％程度の費用がかかることを考慮して価格が設定されるためです。ただし、実際の買取価格は物件の状態や条件によって大きく異なります。
たとえば、築浅で修繕がほとんど必要ないような優良物件であれば、不動産会社の修繕負担が少ないことから市場価格の9割前後での買取が行われることもあります。逆に、築年数が古く、取り壊しや大規模なリフォームが必要な物件は、それに伴うコストが高くなるため、市場価格の5割程度まで価格が下がることも多いです。さらに特殊なケースとして「事故物件」があります。これは過去に自殺や殺人事件、火災など、心理的な瑕疵（かし）を抱えた物件のことです。
このような物件は、通常の市場取引でも価格が大きく下がる傾向にあります。事故物件の仲介価格は市場価格の2〜3割程度になることが多く、買取価格では1〜2割にまで下落することも珍しくありません。このように戸建て買取の相場は一律ではなく、物件の築年数や状態、そして過去の履歴といった様々な要因によって大きく変動する点に注意が必要です。とくに高値での売却を希望する場合には、事前に修繕を行う、情報を整理しておくなどの工夫も求められるでしょう。
戸建買取のメリット・デメリット
ここからは、戸建買取のメリット・デメリットについてみていきましょう。
メリット
戸建て買取には大きく3つのメリットがあります。まず、早く確実に売れる点です。仲介では売却までに5〜6ヶ月かかるのに対し、買取は2週間〜1ヶ月程度で完了することが多いです。不動産会社と直接契約するためキャンセルのリスクも少なく、確実性が高いといえます。次に、近所に知られずに売却できる点です。買取では広告やチラシ配布もなく、見学者の出入りもないため、周囲に売却を知られることなく手続きを進められます。最後に、仲介手数料がかからないことです。買取は仲介を通さないため、通常であれば3％+ 6万円程度かかる仲介手数料が不要で、売却時の出費を抑えられます。
デメリット
一方でデメリットもあります。最大の欠点は、売却価格が安くなることです。標準的な物件でも市場価格の80％程度、条件の悪い物件では50％以下になることもあります。また、戸建ての買取会社が少ないことも問題です。マンションに比べて取り扱う会社が少なく、売却先を見つけるのが難しい傾向にあります。これは戸建ての価格予測が難しく、リスクが高いためです。さらに、価格に納得感が得にくい」点も課題といえます。不動産会社の提示価格に対する根拠が曖昧なことが多く、透明性が低い傾向があります。そのため、納得のいく価格で売却するには、複数の会社に見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。
買取・仲介それぞれに向いている物件の特徴
最後に、買取・仲介それぞれに向いている物件の特徴を紹介します。
買取に向いている物件の特徴
まず、早く売りたい人が所有する物件は買取に適しています。借金返済や離婚など、急いで現金化したい事情がある場合、買取なら短期間での売却が可能です。次に、事故物件も買取向きです。事故物件は仲介では買い手が見つかりにくく、売却まで長期間かかる可能性がありますが、買取なら迅速に手放すことができ、維持費負担からも解放されます。さらに、不具合の多い物件も買取向きです。不動産会社は購入後に修繕を前提としているため、不具合があっても買い取ってくれます。
仲介
一方で、仲介に向いている物件もあります。まず、時間的に余裕がある人が所有する物件は仲介向きです。時間があるなら、急いで安く売る必要はなく、仲介でより高値で売却できる可能性があります。次に、立地や築年数の条件が良い物件も仲介向きです。たとえば駅から徒歩10分以内や築10年以内の物件は、買い手がつきやすく、仲介でも比較的早く売ることが可能です。そして、リフォーム済みの物件も仲介に適しています。状態が良く購入後に修繕が不要なため、買い手にとって魅力的であり、相場よりも高く売却できることもあります。早期売却を望む場合でも、価格を少し低めに設定すれば仲介でも十分対応可能です。つまり、条件の良い物件や時間に余裕のある売主は仲介を選ぶことで、より有利な売却ができます。
まとめ
この記事では買取の相場やメリット・デメリット、そして物件ごとの適性について詳しく解説しました。戸建てを売却する際には「買取」と「仲介」のどちらを選ぶかが非常に重要です。買取は、短期間で確実に売却でき、仲介手数料もかからないといったメリットがあり、早く売りたい人や事故物件、不具合の多い物件に向いています。一方で、相場よりも価格が安くなる傾向があり、買取業者の数が限られている点はデメリットです。逆に、仲介は売却まで時間がかかるものの、高値での売却が期待でき、立地や築年数の良い物件、リフォーム済みの物件などには最適です。それぞれの特徴を理解したうえで、自身の状況や物件の条件に応じた売却方法を選ぶことで、後悔のない取引が実現できます。戸建て売却を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
-
引用元：https://www.life-one-home.com/
