マンションや戸建て住宅など、マイホームの購入にあたっては、住宅ローンを利用される方が多いと思いますが、実際利用する局面になるまで、住宅ローンについて知る機会が少ないというのも実情かと思います。ここでは住宅ローンを利用するにあたっての、審査の流れや必要となる書類について説明しています。
住宅ローン審査の流れ
住宅ローンとは、マイホーム購入のために、金融機関から利息付きで融資を行ってもらう金融商品の一つであり、いわゆる借金と同様の扱いとなります。
金融機関からすると、返済が滞った場合、損害を被ってしまいます。そのため、住宅ローンの契約にあたっては、支払い能力があるかどうかを中心に、厳しい審査が必要となります。
住宅ローンの流れとしては、物件を探す、金融機関を選ぶ、事前審査、本審査、契約締結、融資の実行となり、短くても数日から数週間、長いと数か月かかることもあります。
ここでは、事前審査と本審査について、詳しく説明します。まず事前審査は、融資ができるかどうかを判断するためのものです。
言い換えると、ローン審査における、足切りのようなもので、返済能力が最低限のレベルを満たしているかどうかを、最小限の情報をもとにして、金融機関がチェックしているということになります。
次に本審査は、本当に融資を実行していいかどうかを判断するための審査です。本審査では、本人の返済能力に加えて、担保評価や健康状態などから、融資可否を判断することになります。
審査機関としては、事前審査で概ね1週間前後、本審査で10日から2週間前後を見込んでおくとよいでしょう。もちろん、審査の状況により、かなり前後するので、余裕をもって手続きを行うことが大切です。
住宅ローン審査で必要な書類
では、これらの住宅ローン審査で、必要になる書類はどのようなものでしょうか。ここでも、事前審査と本審査に分けて、説明します。
まず、事前審査で用意する必要がある書類は、「本人確認書類」「収入関連書類」「物件確認書類」です。「本人確認書類」とは、運転免許証や健康保険証、パスポートなどを指します。「収入関連書類」とは、給与所得者であれば源泉徴収票となりますし、自営業者であれば確定申告書の控えとなります。「物件確認書類」とは、購入しようとしている物件のパンフレットやチラシ、販売図面となります。
続いて、本審査で用意する必要がある書類は、事前審査と同じく「本人確認書類」「収入関連書類」「物件確認書類」になりますが、より詳細な書類を用意する必要があります。「本人確認書類」では、事前審査の際に必要だったものに加えて、住民票や印鑑証明書が必要となります。
「収入関連書類」も、給与所得者であれば、源泉徴収票に加えて、住民税決定通知書や課税証明書が、自営業者であれば、確定申告書の控えに加えて、申告所得税納税証明書や事業税納税証明書が必要となります。「物件確認書類」では、売買契約書や重要事項説明書、工事請負契約書、土地や建物の登記事項証明書が追加で必要になります。
住宅ローン審査で見られるポイント
では、これらの書類をもとに、住宅ローン審査で見られるポイントはどういった点になるのでしょうか。まず事前審査ですが、借り入れ予定金額に対する返済能力を確認するために、年収や年齢、勤続年数の他、職業などをチェックしていきます。
事前審査は、簡単ですぐ受かるという話もありますが、もちろん落ちてしまうこともあるため、金融機関ごとに定められている審査条件をクリアしているか慎重に判断しておきましょう。
続いて、本審査では、本当に融資を実行していいのかどうかを判断することになるため、より多くの項目や基準を参考に、チェックが行われます。とくに、完済時の年齢や健康状態、担保評価、借入時の年齢、年収、勤続年数、連帯保証の有無、返済負担率などは、本審査のなかで厳しくみられることになります。
年収が高くても、完済時年齢や借入時年齢が高すぎるような場合と、安定した仕事に就いていたとしても、担保評価や健康状態が悪いなどの場合には、本審査で落ちるということも十分あり得ますので、入念な準備が必要になります。
まとめ
ここまで住宅ローンの審査の流れや必要書類について、説明してきました。住宅ローンで借り入れる金額は一生のなかでも、トップクラスで高額な金額になることもあり、金融機関としても、しっかりと融資可能かどうかの審査を行うことになります。
その審査のなかで、事前審査と本審査という二つの審査があり、それぞれ必要な書類や見られるポイントが異なりますので、審査のポイントをしっかりと抑えたうえで、事前の準備を入念に行うことが大切です。
もし、審査にどうしても落ちてしまうという場合には、返済の計画に無理があると金融機関に判断されている可能性がありますので、頭金を増やして住宅ローンの借入額を減らしたり、購入する物件を見直したりすると同時に、専門家に相談してみてもよいでしょう。
-
引用元:https://www.life-one-home.com/