「どんな家に住みたいか」という点も大事ですが、「どんな場所に住むか」という点も大切です。土地が決まらなければ、外観や間取り、庭など、購入希望者の希望をカタチにできません。理想の住まいを手に入れるには、まずは土地探しからです。本記事では、注文住宅を検討している方向けに、土地探しのコツを解説します。
土地探しの具体的な方法
売土地の看板やインターネット広告などを見たことがある方も多いのではないでしょうか。実際に、住みたい地域の土地探しは具体的にどうするのがよいのでしょうか。ここでは、土地探しの方法について解説します。
不動産会社に依頼する
土地といえば不動産会社を連想する方も多いでしょう。実は、不動産会社には土地探しが得意な会社と、そうではない会社が存在します。なぜなら、不動産会社にも売買専門など得意分野があるからです。
土地探しが得意なのはもちろんのこと、希望する地域に精通している不動産会社を見つけましょう。そのためには、複数の不動産会社を訪問することがおすすめです。
大手不動産会社であれば、各地にある支店ネットワークを駆使して、多くの不動産情報が得られます。一方、地域密着型の不動産会社であれば、古くからの地主さんや不動産オーナーとのつながりで、掘り出し物の不動産情報が出てくることもあります。地元で何十年と密着しているからこそ、地元の絆を大切にしています。
ハウスメーカー・工務店に依頼する
ハウスメーカーや工務店は、土地の取り扱いもしています。ハウスメーカーでは、一定の大きさの土地を一括で購入し、分割して土地を分譲販売しているケースが多く見られます。
ハウスメーカーでは、自社にて複数の土地を所有・販売しているため、希望の外観や間取りに対して、適した土地を提案してもらいやすくなります。住宅展示場などで住宅を見学して、自分たちの好みに近いハウスメーカーを見つけるとよいでしょう。
また、地元工務店でも土地探しができます。工務店は、地域密着で長年営業しているところが多く、地域を知る複数の不動産会社と情報共有しています。そのため、不動産会社に負けないくらいの不動産情報を持っている場合もあります。
インターネットで探す
インターネットで売土地を探すことは、近年もっとも主流の探し方になっています。インターネットには、たくさんの不動産情報が掲載されていますので、希望する地域の土地がどれくらいの価格で売りに出されているか、相場を知るツールとして便利です。
また、最初から営業マンと接する必要がないこともメリットです。ただし、インターネットには掲載されない不動産情報もあるため、他の方法と併用して探すのがおすすめです。インターネットで探す方法は、「角地限定で探す」「1,000万円以下で探す」といった条件を絞った探し方ができるのも魅力です。
現場に足を運び自力で探す
売土地を自身で探すというのも、有効な方法です。たとえ売土地の看板が出ていない土地であっても、場所をメモしておき、不動産会社に問い合わせてみるといった方法もできます。
また、希望の土地があったならば、実際そこに住んだら、どんな生活になるのか調査してみましょう。近隣にスーパーマーケットや病院、保育園や小学校などの生活インフラはあるか、実際に目で見てみましょう。さらに、現地から感じる生活の雰囲気を知ることも大切です。
土地探しをおこなう前に決めておくべき項目
不動産情報は、探せば探すほどたくさん出てきます。インターネットが発達した現代においては、ときに情報過多になってしまい、探すうちにたちが何を求めているのか分からなくなってくることもあります。
そのため、土地探しの前には、希望のエリアや予算、希望する条件を決めておくことが重要です。
希望条件の優先順位
土地探しには、条件の優先順位を決めておくことが重要です。ゆずれない条件を3つくらいに絞ることで、たちの希望に合っているか判断できるため、迷わずに選択しやすくなります。
土地に求める条件を挙げると、「場所」「価格」「広さ」「建築する住宅の間取り」「引越時期」などがあります。このほかにも、「テレワークできる環境」「のびのび子育てできる環境」など、各家庭の事情や好みにあった条件を挙げます。
予算
具体的な土地探しの前に、さまざまな不動産情報に目を通し、土地の購入予算を決めておきましょう。土地と建物合わせて総額いくらくらいを考えるのかを決めましょう。
予算を明確にすることで、どこの地域で、どのくらいの広さの土地に、どんな住宅が建てられるのか明確になります。価格重視なら中心部よりも郊外で探す、通勤重視なら都心部で探すなど、予算からイメージが導き出せます。
エリア
希望のエリアをある程度明確にしておくことも重要です。職場の近くがよいのか、静かな郊外がよいのか、学校区はどこがよいのか、生活インフラはどの程度近くにあったらよいのかなど、どの辺りのエリアの土地を希望するか決めておきましょう。
エリアの良し悪しの判断基準は人それぞれです。不動産会社やハウスメーカーのおすすめで決めるのではなく、たちが長く暮らしたい、家族と過ごしたいエリアはどこなのか、考えて決めましょう。
土地探しをおこなう際にチェックするべきポイント
希望の土地がある程度決まってきたら、土地そのものに対して細かいチェックが必要になります。住宅が建っていない更地の状態でなんとなく漠然と見ていても、肝心なチェックポイントを見逃してしまいます。ここでは、土地探しでのチェックポイントについて解説します。
周辺環境を確認する
土地の周辺環境において、通勤・通学で利用する駅やバス停までの距離は許容範囲内であることや、スーパーマーケットやコンビニ、薬局、病院、役所などが近くにあるかどうかなどをチェックしましょう。
もし子どもがいるのであれば、保育園・小学生・高校など学習機関までの距離は子供にとって適切か、エリアの犯罪率は問題ないか、交番が近くにあるかなどもチェックしておくべきでしょう。
土地の建ぺい率と容積率
土地にはそれぞれ、建ぺい率と容積率が定められています。「建ぺい率」とは、敷地面積に対する建物面積(建物を上から見たときの面積)の割合のことを指します。一方「容積率」とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合のことです。それぞれの割合に適合した中で、建築士が住宅の図面を設計します。
希望する住宅のカタチが実現可能な土地なのかを知るために、候補地になる場所を見つけたら、不動産会社やハウスメーカーなどの専門家に聞いてみましょう。
災害リスク
あらかじめ気になった土地の災害リスクがあるのか知ることも重要です。土砂崩れの心配があったり、すぐに浸水してしまう土地であったりしては大変です。
災害リスクを調べるには、国土交通省が提供している「ハザードマップポータルサイト」の「重ねるハザードマップ」「わがまちハザードマップ」がとても便利です。洪水・土砂災害・高潮・津波・道路防災情報・地形分類をそれぞれワンクリックで地形に色を付けて見られます。
まとめ
希望の住宅を建てるには、その希望に合致する土地を手に入れることが必須です。ですが、土地の情報はあふれており、希望する条件をあらかじめ決めておかないと、右往左往してしまいがちです。そうならないために、土地探しをサポートしてくれるツールやパートナーに出会うことが重要です。
まずは、インターネットやたちの足で土地を探してみて、難しかったり、分かりづらいと感じることをまとめ、それを丁寧に教えてくれる不動産会社やハウスメーカーを探しましょう。いきなり1社に決め込まず、複数の専門家を訪れてみることをおすすめします。
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引用元:https://www.life-one-home.com/